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雨が降りそうで、でも降っていなくて、それでも晴れ間は見えなくて。
雨の日は嫌いだと零したのは何時の頃だっただろうか。お前に言ったことはあっただろうか。ぼんやりとそんなことを考えていればいつの間にかお前は俺の近くに居て。友人達と笑っていて。なんだよ、勝手に帰るんじゃなかったのかよ。そんな言葉さえ嬉しさ故に言えなくて(というかその前にそんな言葉言うつもりなどないんだけどさ)なんだか悔しくて、もう帰ろうとしているお前の手にある水色の傘に手を伸ばしたら。そのままずるずると引っ張って。なんだよ、振り回されてるのは俺の方じゃないか。密かにため息をついた俺にお前は気付いていただろうか。
「そこの階段まで」と言ったのは何処の誰だ。ああそうでした、俺でした。
図書室へと続く階段にはどうしても上がりたくなかった。何故ならこの傘を離したくなかったからだ。傘特有の曲がった取っ手を掴みずるずると引っ張られた。帰りたくなかった。帰したくなかった。もっと一緒にいたかった。例えお前が俺のことなんて眼中に思っていなくても。友人なんて思っていなくても。それでも、お前は俺には欠かせない人間で、存在で。「もし、いなくなってしまったら?」なんで、そんなこと今更聞くのかね、もう一人の俺。「だってさ、お前大切なこと忘れてたりするからさ」失礼だな、俺はそこまで馬鹿じゃない。「でもこいつに馬鹿って言われると笑うじゃないか」それは成り行き、合わせてるだけさ。「嘘つき」嘘じゃない。失礼だな。「まぁいい、本題に戻ろうじゃないか。で、お前はこいつがいなくなったらどうするんだい?」泣く、かな「それだけ?」叫ぶ、かな「それだけなのか?」だったら・・・・・何もしない。何も想わない。ただ消えるだけ。ただ、自分の中にある泡がパチンって音を立てて、跡形もなく消えるだけ。寂しくなんてない。カナシクなんてない。きれい事を並べるよりマシだ。そんな感情何処かに捨ててきた。空き缶をゴミ箱に捨てる様にカランって、簡単に簡潔に。
「嘘だ」嘘じゃない「嘘だって」嘘じゃねぇって
「だったらなんでお前泣いてんの?」
ばいばい、そう言ってお前は去っていった。
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