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窓から見えるその月は後少しで満月となろうとしている少し欠けたものだった。それでも、その欠けた月は窓の向こうの暗闇から僕等を照らして影を作り出していた。その影を見つめているのか見つめていないのか、窓とは反対の方向に、そうまるで月から逃げているみたいに彼はその細い首を少しだけ背けた。
身体は動かない。なぜなら僕が彼を抱きしめているから。このリリスのカタチをしている身体で、やんわりと彼を逃がさないように。月が彼を連れ去ってしまわないように。
「・・・ねぇ、苦しいんだけど」
長いことこうしていたせいか(とは言っても僕にとっては数秒のことに感じているんだけど)不機嫌そうに僕の耳元で呟いた。彼の肩に顔を埋めているせいか、僕には彼の顔は見えないけれど、きっと皺を寄せて呆れた表情を作っているのだろう。
そんなことも分かるくらい、僕等は長い間一緒に居すぎてしまった。
「もう少しだけ」
「疲れた」
「我慢して」
「・・・今日のカヲル君、おかしいよ」
うん、そうだね。それでも、もう少しだけ。
抱きしめる腕の力をさっきより弱めれば彼はため息を付いて、いつも通りに僕の背中へと腕を回す。
その瞬間が溜まらなく嬉しいと思う僕は使徒として何処かおかしいのだろう。そうだ、敵である彼にこんな感情を持つこと自体おかしいのだ。
いつかは離れてしまう僕等。どっちかが死ぬんだろうね、きっと。
それでも、この感情を捨てきれない。捨てられない。捨てることなんか、できやしない。
「ねぇ」
「なにさ」
「好きだよ、シンジ君」
その言葉がいつかきっとキミを傷つけることくらい、分かっているくせに。
結局未来なんて見ていない
そう、僕が欲しいのは現在なんだ。
久々に書いたら色々とおかしくなったけどどうか目をつぶって下さい(汗)
いつかヤングタークスでも書きたいなぁ。でもキャラ壊ししてしまいそうで怖いだー、こうなったらこの勢いで全CP書いちまうか(何)